
6月の園だより
まんまる池 心躍る
月桃の花が雨露に濡れて美しい季節を迎えました。例年より遅い梅雨入りとなり九州南部が先に梅雨入りするのは、49年ぶりとのことです。雨によって生み出される様は、子ども達にとって神秘な世界が広がります。かたつむり、カエルが登場し「まんまる池」(制作)が完成。お友達と手をつなぎわらべ歌でまんまる池で飛んで跳ねて心弾みます。滝のような雨で園庭にできた水たまりや、湿った砂は、魅力的な遊びの場にかわり、子ども達の探求心を掻き立てていきます。季節が廻るたびに、子ども達の世界は変化し自然と共に生活し対話しながら、人間らしい感性を育んでいるようです。子ども達の表現する「アートの世界」がその事を物語っています。『アートとは、自由、美しさ(=「よい」ということ)そして可能性。アートとともに生きるという事は「人間らしく、美しく、良い生活を送る」ということ、それこそが「主体的に生きるということだと思うのです」…(東京大学名誉教授 汐見稔幸氏)
さて、進級入園から2か月が過ぎ新しい環境、新しい先生に「安心感」をもって過ごせるようになってきました。子ども達の様子を伝えながら、クラス年齢の発達の特性や「こんな風に育ちあっていきたい」という担任の願い(保育目標)や思いを共有し又安全に過ごせるにはと食育の観点からも確認し合う貴重な機会となりましたクラスオリエンテーション、お忙しい中ご出席いただきありがとうございました。
こども家庭庁が策定した『はじめの100か月の育ちのビジョン』(誕生前の母体の10か月から7歳)では、乳幼児期の親や保育者等、特定の大人からの受容的で応答的(目と手と心で)響き合うような丁寧な保育が「自分は愛されている」「守られている」という「愛着の形成」を育み愛着を土台に「豊かな遊び、体験」が生涯にわたるウェルビーイング(心も身体も健康で社会と繋がり充実した人生)「健康、幸福、充実感」といった幸せな人生に繋がるという事が様々な研究からも示されています。日本人の10代の子ども達の自己肯定感や幸福度は、先進国に比べ非常に低いことや、日本の10代の死因の1位が自殺というあまりにも悲しい現実を深く受け止め、保護者、養育者だけではなく、地域社会の全体で子どもを育てていくという「こどもまんなか社会」の実現にむけて、子育てに関心を寄せ、保護者会や地域と共に子どもの育ちを支える子育て環境に取り組んでいきましょう。
戦後80年の節目となる沖縄にとって、立ち止まり大切にしていく尊い日が『慰霊の日』お互いの違いを認め合うこと・仲良くすること「命のバトン」「平和」について、子ども達に伝えていきたいと思います。
園長 當間 美千代